錦帯橋を渡って徒歩約3分。岩国城ロープウェイ乗り場のすぐそばに「錦帯橋カフェわたぼうし」があります。
ランチからスイーツまで、毎日お店で手作り。なかでも人気の「わたぼうしランチ」には、岩国出身の作家・宇野千代さんのレシピを使った料理が登場します。
お店を営むのは、宇野千代さんのファンだというオーナーの大原さん。
お店のスタッフは、全員女性です。みなさん笑顔で迎えてくれて、お店に入った瞬間から、ほっとするあたたかい空気に包まれます。

一番人気は、宇野千代さんのレシピも登場する「わたぼうしランチ」
わたぼうしで一番人気なのが、揚げ物のついた「わたぼうしランチ」(1,800円)です。
メインのおかずに加えて、たくさんの小鉢が並びます。そのうちの数品には、宇野千代さんのレシピを取り入れた料理が登場します。
きっかけは、スタッフが見つけた宇野千代さんの料理本『私の作ったお惣菜』でした。
料理本との出会いから、大原さんは実際にレシピをランチに取り入れることにしたそうです。
メニューは1週間ほどで変わることもあり、何が食べられるかはその日次第です。


うなぎじゃない? 岩国れんこんで作る「れんこんうなぎ」
取材した日の小鉢には「れんこんうなぎ」がありました。
名前を聞いて、うなぎ料理を想像していた編集部。
ところが、出てきたのは、すりおろしたれんこんを海苔で巻いて揚げた料理でした。こちらも宇野千代さんのレシピ。
岩国は、県内一のれんこんの産地です。そんな土地ならではの料理が小鉢に登場するのも、わたぼうしのランチの面白いところです。

「どんなに体によくても、おいしくなければいけない」
これは、わたぼうしを運営する大原さんがモットーにしている、宇野千代さんの言葉です。
体によいものを食べてもらいたい。だからこそ、おいしさにもこだわる。
外食で、すべて手作りの料理に出会えることは少なくなりました。わたぼうしでは、懐かしくてほっとする味を大切にしながら、ランチのおかずも小鉢もお店で手作りしています。
ホテル暮らしが続く編集部には、すべて手作りの味が、細胞のひとつひとつに栄養として届いていくように感じられました。
大原さんが大切にしているのは、食べることそのものを楽しんでもらうこと。
手間のかかる料理も、できるだけ自分たちの手で作る。その姿勢が、日替わりの小鉢やお菓子にも表れています。


あんバターサンドにプリン。砂谷牛乳のソフト。スイーツもいろいろ
食後に甘いものを楽しみたい方にも、メニューがあります。
あんバターサンドに使っているのは、同じく大原さん運営のたいやき店「おおさかや」のあんこ。
ケーキやプリン、季節ごとに変わるパフェもあります。
ソフトクリームは、広島市の砂谷牛乳を使って開発したもの。同じ牛乳は、グラタンのホワイトソースにも使われています。
カフェメニューも充実しています。コーラもジンジャーエールも自家製で、ケーキは日によって変わります。その日に何が食べられるかも、楽しみのひとつです。錦帯橋の散策途中に、お茶をしに立ち寄るのもよさそうです。

お店の人気者、庭園に住む大きな亀のかめ吉さん(女子)
実は、わたぼうしにはおおきな亀がいます。
お店の趣を感じる中庭には、15歳のかめ吉が住んでいます。なかなか大きな亀で、実は女の子。かめ吉なのに女の子。編集部も思わずツッコんでしまいました。
かめ吉にちなんで作られたのが「かめ吉最中」。お店で炊いた自家製あんこを詰めたこだわりの最中です。
この最中は、出会えたらラッキーなスイーツ。どうしても食べたい方は、事前に電話で予約してください。

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日本酒好きなら「金雀」に出会えることも
わたぼうしでは、日本酒好きの大原さんが選んだお酒も楽しめます。
2026年10月現在は、岩国市錦町の酒蔵が造る希少なお酒「金雀」が飲めます。金雀がなくなったあとは、大原さんおすすめの別のお酒に替わります。どんなお酒に出会えるかは、その時次第です。

金雀は、岩国市内5つの蔵のお酒を飲み比べる錦川清流線の「利き酒列車」でも味わえます。
「正解は常識の外にある」。大原さんのお店づくり
大原さんは、山口県内で飲食店を手がける女性経営者です。そんな大原さんが大切にしている、もうひとつの言葉があります。
「正解は常識の外にある」
もともと、わたぼうしは少し高級なランチを提供するお店でした。
もっと多くの人に気軽に利用してもらいたいと、お店を改装。ところが、その直後に新型コロナウイルスの流行が始まります。
厳しい時期もありましたが、営業を続けてきました。
大原さんは、資格がなくてもやりがいを持って楽しく続けられる仕事を作りたいと、今のわたぼうしを運営しています。
「キャリア関係なく誰でも挑戦できる場を作りたい」
そんな思いから、スタッフが自分のやりたいことに挑戦できる環境づくりも大切にしています。
大原さん自身も、今なおお店の現場に立ち続けています。
宇野千代さんの料理本にあった、こんな言葉も教えてくれました。
「旨いものを食べると、生きていることの喜びを感じます」
宇野千代さんの料理をランチに取り入れているのも、食べることを大切にしている大原さんらしい取り組みです。
[写真:大原さん]
ランチは予約で取り置きがおすすめ
錦帯橋周辺は、桜や紅葉の季節になると特に多くの観光客でにぎわいます。
わたぼうしも、観光シーズンには平日でも混み合うことがあります。
ランチは予約による取り置きが可能なので、食べたいメニューが決まっている方は事前の連絡がおすすめです。
ただし、予約できるのはランチの取り置きで、座席は来店順です。


お弁当を買いに来る人も
わたぼうしは、お弁当も大人気です。お店には、お弁当だけを買いに来る人が次々に訪れます。
ランチを食べ終えたばかりなのに、「お弁当もいけるんじゃないか……」と、編集部の頭をよぎりました。その気持ちをぐっとこらえた小豆大好き編集部は、わたぼうしの隣の「おおさかや」で、たい焼きをいただきました。
こちらのたい焼きのあんこは優しい甘さで、何個でもいけそうです。次回はこちらのたい焼きとたこ焼き全制覇を心に決めました。


錦帯橋カフェわたぼうしの基本情報
| 店名 | 錦帯橋カフェわたぼうし |
| 場所 | 山口県岩国市横山2丁目6-53(吉香公園内) |
| 電話 | 0827-43-5252 |
| 最寄駅 | 錦川清流線・JR岩徳線 川西駅 |
| 駅から | 徒歩約20分 |
| 定休日 | 不定休 (お弁当:木曜日は休み) |
| 営業時間 | 10:00〜15:00 (ランチ:11:00〜13:30) |
| 公式サイト | https://www.wataboushi-cafe.com/ |
| 公式インスタ | @kintaikyocafe.watabousi |
※メニューや価格、営業内容は変更になる場合があります。
清流線で行くなら、宇野千代生家と錦帯橋を一緒に
錦川清流線を利用するなら、川西駅で下車して宇野千代さんの生家を訪ねるコースもおすすめです。
生家を見学したあとは、錦帯橋方面へ歩いて約20分。
錦帯橋を渡り、吉香公園の中に入ると、ロープウェイ乗り場のすぐそばにわたぼうしがあります。
宇野千代さんが暮らした家を見たあとに、そのレシピを使ったランチを食べる。
岩国ならではの、ちょっと面白いランチの楽しみ方です。
宇野千代さんの生家については、「朝ドラ『ブラッサム』のモデル・宇野千代さんの生家へ」で詳しく紹介しています。
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