錦川清流線に乗っていると、川面近くに架かる平らな橋が目に入ります。
大雨で川が増水したときに、水の下へ沈むようにつくられた「沈下橋」です。欄干を省いた平らな橋が、錦川と山の景色に溶け込むように架かっています。
列車に乗ったまま、川沿いの高い位置から沈下橋を見下ろせるのは、錦川清流線ならではの楽しみです。
沈下橋(潜水橋)とは
沈下橋は、川の水面に近い高さに架けられた橋です。
大雨で川が増水すると、橋ごと水の下に沈みます。
欄干を省いているのは、増水したときに流木や木の枝が引っかかって、川の流れをせき止めるのを防ぐためです。
地域によって「沈下橋」「潜水橋」「潜り橋」など、さまざまな名前で呼ばれています。
高知県の四万十川に架かる橋がよく知られていますが、山口県岩国市を流れる錦川にも、守内橋、細利橋、長走橋などの沈下橋が残っています。
今も地域の人が毎日使う、暮らしの道です。
守内橋|守内かさ神駅の近く
岩国駅から錦町方面へ向かう列車に乗ると、清流新岩国駅を過ぎた先で、守内橋が見えてきます。
守内橋は、守内かさ神駅の近くに架かる沈下橋です。駅のある側と錦川の対岸を結ぶ生活道路として、地域の人に利用されています。
車窓から眺めると、平らな橋が、錦川の水面近くをまっすぐ延びているのが見えます。
守内かさ神駅で途中下車すれば、橋まで歩いて行くこともできます。駅からの所要時間は、およそ4〜5分です。
錦川清流線は、次の列車まで時間が空く場合があります。途中下車して橋を見に行くときは、行きと帰りの時刻を先に確認しておきましょう。
また、川が増水したときは通行止めになる場合があります。雨の日や大雨のあとは、橋から離れた安全な場所で、現地の案内に従ってください。

長走橋|根笠駅と河山駅の間
長走橋は、根笠駅と河山駅の間にあります。
錦川第二発電所の近くに架かり、錦川清流線の車窓から眺められる沈下橋です。
錦町行きの列車では、終点の錦町駅が近づいてくるころに見えてきます。
根笠駅から河山駅までの区間は、錦川清流線の観光徐行区間の一つです。
観光徐行の対象列車では、車窓の見どころに近づくと速度を落として走ります。車内放送に耳を傾けながら、窓の外を探してみてください。反対側には中国電力錦川第2発電所もみえます。
車内放送では、長走橋が過去に流されたこともあると案内されました。
(※2022年の台風の影響により橋桁の一部が被災)
普段の錦川は穏やかに見えますが、橋を流すほど水位が上がることもあります。沈下橋は、川のそばで暮らしてきた人たちの知恵と、自然の力の大きさを伝える風景でもあります。

細利大橋|南河内駅の近く
錦川には、守内橋と長走橋のほかに、細利大橋もあります。
細利橋の最寄り駅は南河内駅です。駅から歩いて約5〜6分の場所にあり、現在も地域の生活道路として使われています。残念ながらこの橋は車窓から見る事はできません。
南河内駅周辺では、春になると田園地帯に菜の花が咲きます。沈下橋とあわせて、春の沿線風景を楽しめる場所です。

沈下橋を訪れるときの注意点
沈下橋は、欄干を省いたつくりです。
橋の中ほどを歩き、足元や車の往来に注意して渡りましょう。
守内橋や細利大橋は、地域の人が毎日使う大切な暮らしの道です。写真は短い時間で撮り、通る人や車には道をゆずりましょう。
雨が降っているときや、上流で大雨が降ったあとは、急に川の水位が上がる可能性があります。橋が水に沈んでいるときや、通行止めになっているときは立ち入り禁止です。橋から離れた安全な場所で過ごしてください。
また、途中下車して見に行く場合は、帰りの列車の時刻も事前に確認しておきましょう。
車窓から見る、錦川と人の暮らし
錦川の沈下橋は、飾り気のない、素朴な橋です。
川が増水することを前提につくられ、今も地域の暮らしを支えています。
錦川清流線に乗ったら、錦川の水面近くに架かる、平らな橋を探してみてください。
車窓から眺めることで、川の美しさとあわせて、川とともに暮らしてきた人たちの風景にも触れられます。
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